Storytime 2
高校のときの話。あるきっかけで天使のような女の子と知り合いになった。
足が細くて髪が長くて綺麗で利発で僕はいつも前を歩く彼女のふくらはぎをこっそり盗み見てた。
シーズライクアンエンジェル、アイムアクリープ。
朝、学校の前であったりすると彼女はおはようといってくれる
僕はとてもか細い声で返す「ああ、うん」
学校帰りに会ったときは一度途中まで一緒に帰ろうといってくれた
僕はとてもか細い声で返す「ああ、うん」
寝台列車での旅の朝、彼女が突然僕の座席に来て写真を撮りたいのだけどといってくれた。天使みたいな笑顔で。
僕はまるで予期してなかった事態にうろたえたあげく寝ぼけた声で返す「ああ、うん、今度、また」
多分それで愛想が尽きたんだと思う。次第に彼女はあまり相手にしてくれなくなった。
そんな感じで前を歩く彼女のふくらはぎとお気に入りの長い髪の毛をこっそり盗み見るだけの生活に戻った。望んでそうなったわけじゃない。
一度デパートで働いてるという噂を聞いてこっそり盗み見に行った。彼女はやっぱり綺麗だった。実際のところすぐに見つかってしまったので盗み見るのには失敗したのだけど。ブランクの分腕が落ちてたのだ。しようがないから客の風を装ってか細い声で挨拶した後そそくさと立ち去った。そうやって僕は婦人服売り場を後にした。
Storytime
少年が女の子をみつけたのは校門のすぐ前だった。卒業式を控えた寒くてさびしい季節で、グラウンドも道路も少し湿っていた。少年は話しかけるべきだと思ったし当然そうした。彼女がふりかえる。その途端に全ての言葉が消えてなくなった。喉が強烈に締め付けられる。いままで見たことのないスカート。細くて白い足。おろしたてに見える真っ白な靴下。湿った道路。さびしい季節。意識が少年の顔と胸の前でぐるぐる回り始める。心臓の鼓動がそれに拍をつける。少年は必死に言葉を探している。綺麗な髪の毛。怪訝な顔。なにか話すべきことがあったはずなのに。100年前にもこんなことがあった気がする。僕は侍で彼女は坊主だった。少年の視界からは光が失われ始めている。学校のチャイムが鳴る。今まで耳にしたことのない暴力的で非現実的なチャイム。灰色の空。意識はますますぐるぐる回るし高まる鼓動はほとんど少年を殺しかけている。湿ったグラウンド。真っ白な靴下。暴力的に回転する意識。言葉も彼女もどこかにいってしまった。少年は暗闇の中でふらふらになりながら何か心地よい大事なものが意識のどこかにひっかかっているのを感じるのだけどそれが何かはどうしても分からない。もうそんなことはどうでもいい気がするし、また100年待つだけの気力ももう残ってないような気もする。
私は君らと違って心が狭いんだ
ショパン聴きながら遊んでる。わりと荒んだ感じで。4 Ballades No.1 in G minor 。ゲームはそこそこ面白いんじゃないですか。そんな高くもないしミュージックプレイヤー代わりにもなると思う。
5分待って
と言われたのだけどものすごく長い。ブログのエントリーかけるぐらい長い。どうかしそうなぐらい長い。今なら大好物のエサを前にいじわるな飼い主の前で長い「マテ」をさせられてる可哀想なイヌの気持ちが分かる。I'm waiting like a dog. ていうか20分ぐらい待ってる実際のとこ。
■
誰かが何処かで吹いてるのが聞える。多分ソプラノリコーダーだと思う。あまり上手くないのがまた趣きがある。
知らなかった名曲がたくさんある
Now it's closing time, the music's fading out
Last call for drinks, I'll have another stout.
Well I turn around to look at you,
You're nowhere to be found,
I search the place for your lost face,
Guess I'll have another round
And I think that I just fell in love with you.
なんて切ない歌なんだ。コメント欄でも面白い会話を読めた。